じおすまいやー

だいたい遊戯王アニメの感想

間違いなく遊戯王だった

遊戯王SEVENS(セブンス) 第92話「デュエルの王」

 

ルークとのデュエル! オーティスとの決着! そして2年後!

ラストに欲しいものをバッチリ詰め込んだ、SEVENS最終回!!

 

 ルーク vs 遊我

オーティスとの一時中断デュエルがあるので、お互いデュエルディスクは使わず、遊我は予備デッキ。

机で友達と遊ぶような雰囲気でプレイする遊我に対して、ルークは過去一番の真剣さ。

ソリッドビジョンもBGMもなく淡々と進む演出が、状況の異様さとマッチしていてよい。

 

ドラギアスは中断デッキに入っているため使えないはずだが、まさかの幻影ルーク版ドラギアスが召喚される。

ルーク曰く「全俺の気持ち」。

フュージョンを生み出した前例のあるザ☆ルークメンが味方に付いている今、同じように作り出したと考えることもできるが、

幻影ルークやミラギアスについてはわからないままなので、もっと別の何かかもしれない。

 

遊我のデッキを読み切り、魔法を封じて詰ませにかかるルーク。本気のデュエルタクティクスが光る。

唯一の勝ち筋はセブンスロード・マジシャンだが、中断デッキに入っているため逆転は不可能……

しかし遊我は自らのIDカードでセブンスロードを生成。いつでも逆転できるラッシュデュエルを体現した。

「IDカード、任意のカードに書き換えられるなら万能すぎてズルいのでは?」と思うところだが、

デュエルに必要なIDカードを書き換えるのは高いリスクが伴い、これが最後という覚悟が必要であるし、

「デッキに投入して必要な場面で引き当てる」という切り札のプロセスをしっかり経ているので、見た目の印象ほど万能ではない。リストバンドから出してたら罰ゲーム。

 

ドラギアスがルークの「絶対に遊我をひとりにしないという気持ち」なら、

セブンスロードは遊我の「絶対にみんなのデュエルを守りたいという気持ち」だろうか。

 

オーティス戦、再開。

デュエル内容自体は既に伏せていた罠で解決するのだが、ラッシュロボの耐久限界や、IDカードを失ったことによる失格の危機が問題となる。

遊我はラッシュロボを加速し、光速に近づくことで通信圏外の亜空間へ逃れ、失格を免れる。

何かで通じ合うオーティスと遊我のやり取りと共に、セブンスギアスの最後の攻撃が炸裂。

デュエルは遊我の勝利となり、オーティスの企みは阻止され、デュエルプログラム本体は守られたが、

ラッシュロボの消滅によって、ラッシュデュエルも消滅。

遊我はみんなのデュエルを守った「デュエルの王」として、宇宙へ消えていった。

 

2年後。

デュエル憲章が改正され、どんな時でも子供が最優先でデュエルを楽しむ権利を持つようになった。

他にはミミさんが副社長になってたり、ユウジーンがデカくなってたり、

ヨシオちゃんの筋肉が自前になってたり、ガクトが選挙に敗れて副会長になってたり、

アサっちとはるっちが髪型交換してたり、ロミンが借りパク常習犯だったり。

ゴーハ第8中学校、今までは各小学校に散らばっていた濃いキャラが集結してて、とんでもない学校になってる。楽しそう。

でもそこに遊我はいない。

 

くよくよドラギアス太郎、ひとりでうじうじ。

単に大切な友人を失ったというのもあるが、

本気のデュエルで滅多にない敗北を喫し、目標としていたデュエルの王としての姿を見せつけられ、

そのまま置いていかれてしまったのだから無理もない。

 

多くの登場人物が2年で成長した姿や、変わらないまま輝く姿を見せている中、

ひとりで空を見上げ続けるルーク、副会長に甘んじるガクト、ソロデビュー再開の素振りを見せず借りパク常習犯と化したロミンと、

遊我との関わりが特に深かった3人は停滞しているように見える。ロミンちゃんの借りパクは前からかも。

 

しかし遊我は帰ってきた。

規範をかなぐり捨てて全速力で迎えに行くガクト、改造自転車・スピード違反・3人乗りのフルコンボ

でもゴーハの私有地を召喚すればセツリ的にもオールOK! あとはロードをひた走る!

遊我の帰還と共にラッシュデュエルも復活し、4人の時間が動き出す! 遊戯王SEVENS! 続け!!

 

というわけで最終回でした。めちゃめちゃ良かった。

特にIDカードをドローしてからの流れが本当に心にきた。積み重ねが刺さる……

「デュエルの王」をデュエル最強の称号ではなく、デュエルを楽しめる環境そのものの王、すなわち遊戯の王としたのも見事で、久々に「遊戯王」というタイトルに大きな意味を持たせてくれたのが嬉しい。

見る前は「最終回だし決戦後の日常描写も見たいけど尺が心配だな……」とか思ってたのに、蓋を開けてみたら想定よりたっぷりやってくれたりして、かなり満足感が高い最終回でした。

 

遊我とオーティスについて。

今回、遊我とカイゾー、オーティスとドールの関係が重なるような描写や、

遊我とオーティスはお互いの考えが分かって当然だというようなセリフ、

最終的に遊我がオーティスそっくりになって帰ってくるなどがあり、

これらを踏まえると、オーティスの正体は未来の遊我である、とも考えられる。

ただ、オーティスは前回「自分はゴーハデュエルの原型を作った」と発言しているので、いろいろややこしいことになる。

個人的には、オーティスも発明と遊びが好きで、みんなを楽しませるのが大好きな少年だった、くらいに解釈したい。遊我があのオーティスになるって考えたら普通に嫌だし。

もしくは、現・遊我の延長線上にはないが、どこかの並行世界では確かに遊我だった存在、とか。

なんにしても、オーティスが歴代遊戯王でいうところの「もうひとりの自分」だったのは間違いない。ユウガはDMリスペクト要素だから……

 

次回作ゴーラッシュ! について。

同じくラッシュデュエルを扱うアニメで、舞台の「六葉町」や、「王道」姓の双子といった、SEVENSとの関連性を強く感じさせる情報が出ている。

情報初出時点では「SEVENSと同じ世界なんだなー」くらいに思っていたけど、

SEVENSでのいくつかの謎が、多少強引になら説明できそうだったものも含めて残されていることや、

2年間の空白を宇宙のどこかで過ごしていた遊我と、ゴーラッシュ主人公ユウディアスの設定「ラッシュデュエルを求めて地球にやってきた宇宙人」が関係ありそうなことから、

今では「思ったよりガッツリ続編なのでは……?」と考えている。

なるべく単体で楽しめるアニメになってほしい気持ちもあるが、SEVENSが補完されるのは嬉しいので、こう、ちょうどいい感じになるといいな!

もちろんSEVENS要素を抜きにしてもゴーラッシュは超楽しみです。ユウディアス絶対面白いヤツだし、遊歩ちゃんかわいくね?

 

遊戯王SEVENS全体を振り返って。

制作体制を一新、ゲームルールも一新して世に放たれた遊戯王SEVENS。

ホビーアニメらしい明るくハチャメチャな作風と、作品のテーマを貫き通す芯の強さを併せ持ち、

メイン4人(と1機)のバランスが良かったり、1話限りかと思ってたキャラが何度も再登場することで、日常シーンの楽しさや地続き感がアップし、それが決め所の盛り上がりにも貢献していたと思う。

 

新たなゲームルールも、アニメでのデュエル描写に適した変更点が多く、

1話完結を基本としつつも、日常描写や心理描写の尺を確保できた。

 

一方、話数自体は不足気味で、後半でキャラクターを持て余したり、いくつかの大きな謎がSEVENS内で解決しなかったのは残念なところ。

ある程度は仕方ないと思うけど、ナナホだけはもうちょっと何とかしてほしかったな……初登場回での期待度すごかったんだけどな……

 

総合的には、とても楽しめた2年間だった。

これまでのアニメ遊戯王シリーズの中でも、特にお気に入りの作品になったと言えるし、

なんなら一番好きと言ってもいい。それくらい面白かった。

 

 

今回は次回作への空白期間が存在せず、4月からすぐにゴーラッシュが始まる。ありがたい。

あらすじや新PVの見るだけで頭痛がしてくるようなブッ飛び加減も、SEVENSで鍛えられた今ならばアッサリ受け入れられるだろう!

ありがとうSEVENS、そしてこれからも

切り開け! ボクのロード!!!!!!!